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メタプラネットとは?ビットコイン保有数や株価の推移、投資する際の注意点を紹介

2025年09月02日
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生川奈美子(なるかわなみこ)
株式会社アスト代表取締役 https://www.asut.jp/
2003年、独立系ファイナンシャルプランナーとして独立。
「わくわくの明日と共に」をモットーに、不安から安心へ変わる、ライフプラン作成や家計相談、相続相談などのコンサルタントとして活動しながら、マネーに関する講師、執筆、監修なども行う。
2015年度金融知識普及功労者として金融庁・日本銀行から表彰を受ける。
保有資格はファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級FP技能士、相続診断士、終活カウンセラー、住宅ローンアドバイザー、住宅建築コーディネーターなど

ビットコインに投資している方や、投資を検討している方は、「メタプラネット」という企業名を見聞きした経験があるかもしれません。

メタプラネットは、ビットコインを長期的に保有する戦略を掲げ、実行したことにより、20244月の戦略公表から20256月中旬までの期間、株価が上昇トレンドにありました。メタプラネットの株式を保有すれば、間接的にビットコインに投資できます。ただし、一時的に株価が下落した局面が過去に何度かあり、20256月下旬から現在(202591日時点)までの期間は下落トレンドが続いていることを認識しておきましょう。

本記事では、メタプラネットがどのような企業なのかを徹底解説します。メタプラネットのビットコイン保有数や株価の推移、投資する際の注意点を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

メタプラネットとは

株式会社メタプラネットは、ホテル事業やビットコイン投資事業、ビットコイン普及・啓発事業などを営む日本企業で、東京証券取引所のスタンダード市場に上場しています。

1999年に「ダイキサウンド株式会社」として設立され、後に社名が変更されました。設立当初は、レコードやCDの企画・制作・販売に関する事業を営んでいました。その後、ホテル事業を展開したものの、2020年の新型コロナウイルス感染症の世界的大流行によって打撃を受けます。

社長のサイモン・ゲロヴィッチ氏は、従来のビジネスモデルの脆さを痛感し、20244月に、ビットコインを長期的に保有する「ビットコイントレジャリー事業」を主力事業とする戦略を公表します。このビットコイン保有戦略が実行された結果、暗号資産に関心を持つ投資家から注目され、メタプラネットの株価は大きく上昇しました。 

 

メタプラネットのビットコイン保有数

メタプラネットの公式Webサイトで、ビットコイン保有数が公表されています。202591日時点の保有数は、20,000BTCです。また、これまでの購入履歴も公開されています。

2025812日時点では、同社によるビットコインの平均購入価格は、1BTC1,485万円です。現時点でのビットコイン価格が平均購入価格を上回っているのであれば、保有しているビットコインが含み益を有する状態ですが、下回ると含み損を抱える状態になります。

2025812日時点では1BTC1,766万円であるため、含み益を有する状態です。最新情報に関しては、ご自身でご確認ください。

 

メタプラネットの株価の推移

ビットコインの投資を開始してから、メタプラネットの株価は長期的には上昇傾向にあります。ただし、常に上昇しているわけではなく、一時的に下落する局面も見受けられます。

20246月には、株価が1,900円近くにまで上昇しました。しかし、20258月中旬時点では、下降トレンドであり、1,000円前後を推移しています。

メタプラネットの株価変動には、ビットコイントレジャリー事業以外の事業(ホテル事業など)や、資金調達などの財務戦略、株式の需給バランスなど、複数の要因が作用しています。そのため、単純に「ビットコイン価格の変動に連動して、メタプラネットの株価も変動する」というわけではありません。

 

メタプラネットの株式を保有することで、ビットコインに間接的に投資できる

現物のビットコインを売買して得た利益は「雑所得」として取り扱われます。総合課税であり、所得が大きい場合は、高い税率がかかります。他方、株式やETFの売買で得た利益に関しては、分離課税であり、大きな利益を得ても税率は変わりません(所得税および復興特別所得税(203712月末まで、所得税額の2.1%が加算)が20.315%、住民税が5%で固定)。

そのため、「ビットコインETF(ビットコイン価格に連動したETF)を購入したい」とお考えの方がいるかもしれませんが、20258月中旬時点では、日本の証券会社ではビットコインETFの取り扱いがありません。ビットコインに直接的に投資するためには、現物を売買せざるを得ない状況です。

ただし、ビットコインの大量保有を主力事業として遂行しているメタプラネットの株式を購入すれば、間接的にではありますが、ビットコインに投資できます。ビットコインへの直接的な投資ではありませんが、株式投資なので分離課税であり、大きな利益が出たとしても税率が一定(所得税および復興特別所得税(203712月末まで、所得税額の2.1%が加算)が20.315%、住民税が5%)であることが魅力です。

 

NISA口座で売買することも可能

メタプラネットの株式は、NISA口座で売買することも可能です。NISA口座で売買すれば、ビットコインへの間接的な投資を「非課税」で実施できます。

NISA(少額投資非課税制度)とは、購入した株式・投資信託などから得た配当や分配金、売却時の譲渡益が非課税とされる制度で、20141月に開始されました。非課税とされる年間投資金額には、上限があるものの、メタプラネットの株式をNISA口座で売買すれば、現物のビットコインを売買するよりも税務面で有利です。

 

メタプラネットの株式を売買する際の注意点

メタプラネットの株式を売買する際は、以下に示す2つの点に注意しましょう。

 

    ビットコインの現物を直接売買することとイコールではない

    株式の希薄化や社債の返済に関するリスクがある

 

それぞれに関して詳しく説明します。

 

ビットコインの現物を直接売買することとイコールではない

上述したように、メタプラネットは、「ビットコインの保有」だけに特化した企業ではありません。現在、メタプラネットがビットコインの長期保有を主力事業として掲げていることは事実ですが、ホテル事業など、ほかの事業も展開しています。例えば、東京都品川区の「ホテルロイヤルオーク五反田」は、メタプラネットの完全子会社であるウェン東京株式会社が保有するホテルです。

ビットコインの価格は重要ではあるものの、そのままメタプラネットの株価に反映されるわけではありません。ビットコイン保有事業以外の要素が、メタプラネットの株価に影響を及ぼす可能性があります。「ビットコインの現物を直接売買することと完全にイコールではない」という点を理解したうえで、メタプラネットの株式を売買しましょう。

 

株式の希薄化や社債の返済に関するリスクがある

メタプラネットは、「新株予約権」や「社債」によって、ビットコインの購入資金を調達しています。新株が発行され、株式数が増加すると、1株あたりの価値が低下する(株式が希薄化する)かもしれません。また、社債の償還によって財務に負担がかかる可能性もあります。

メタプラネットは、公式Webサイトで債務に関する情報を開示しています。情報をチェックしたうえで、ご自身の判断と責任で投資しましょう。

 

まとめ

株式会社メタプラネットは、ビットコイン投資事業などを営む日本企業です。ビットコインを大量かつ長期的に保有する戦略を公表・実行しており、投資家から注目されています。

メタプラネットの株式を売買すれば、間接的ではあるものの、ビットコインに投資できます。株式の売買であるため、分離課税とされ、ビットコインの現物を売買するよりも税務面で有利です。NISA口座で、非課税で投資することも可能です。

ただし、メタプラネットは、ビットコインの保有だけではなく、ホテル事業なども営んでいます。そのため、ビットコイン価格と株価が完全に連動しているわけではありません。「新株発行によって株式が希薄化するかもしれない」「将来、社債の償還によって財務に負担がかかるかもしれない」といった点にもご注意ください。

これらのリスクがあることも認識したうえで、ご自身の判断と責任で投資しましょう。また、常に株価が上昇するわけではなく、株価が下落するケースもあることを理解し、余剰資金の範囲内で売買することが重要です。

 


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