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ゲームで頭が良くなるのはなぜ?勉強にも生かせる7つの力をご紹介

2024年11月29日
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葉山ミノリ
2018年に通信制大学を卒業。
現在はWebライターとして、幼児教育・児童発達支援ジャンルを中心に執筆している。
ASD(自閉スペクトラム症)の長男との関わり方を学ぶため「児童発達支援士」の資格を取得し、発達心理学にも知見がある。
「子ども一人ひとりの個性や発達に合わせた教育の大切さ」を日々感じる立場から、従来の枠にとらわれない教育の多様性について発信していきたい。
保有資格は、小・中・高等学校教諭一種免許状(国語)・児童発達支援士・発達障害コミュニケーションサポーター・FP3級

子どものゲームのやりすぎに悩んでいませんか?

「ゲームばかりして勉強ができなくなったらどうしよう」「ゲームと同じ熱量で勉強にも夢中になってほしい」と思っている方は少なくないはずです。

ゲームのやりすぎは脳に悪影響があるという話もよく聞かれる一方で、「ゲームをする子どもは勉強もできる」というデータも出ています。

本記事では、ゲームで頭が良くなる真相に迫り、ゲームで鍛えられ勉強にも生かせる7つの力について解説します。読み終わる頃には、ゲームに対する見方が変わるかもしれません。

 

ゲームで頭が良くなる事実とその理由

ここでは、ゲームで頭が良くなることの証明となる一つの研究結果と、その理由について解説します。

 

ゲームでIQが上がる

スウェーデンとオランダの研究チームの調査によると、ゲームする子どもは、IQが高くなる傾向があることがわかりました。調査では、米国の子ども約5,000人を対象に、調査開始時と2年後に認知能力検査を実施しました。結果、ゲームに費やした時間が上位17%の子どもは、ゲームに平均的な時間を費やした子どもに比べて、IQ2.5ポイント高くなったのです。

これまでも、継続的にゲームをしている人は、視覚や指の動きに関連した能力・記憶力・論理的に考える力などが高くなることが知られていました。近年の技術の進歩によって、脳の動きを可視化できるようになり、ゲームが脳に与える影響についてより正確にわかるようになったのです。

 

ゲームで頭が良くなる理由

ここでは、ゲームで頭が良くなると言える2つの理由について解説します。

 

ゲームで脳が活性化するから

ゲームで頭が良くなると言われる理由の1つに、「ゲームをすると脳が活性化する」という事実が挙げられます。実際、ゲームをしているときの脳内では、神経伝達物質である「アドレナリン」が分泌されています。アドレナリンが出ると交感神経が優位になり、頭の回転速度が上がるのです。

また、ゲームをしているときは「海馬」の動きが活発になるという報告もあります。海馬とは、空間学習や記憶に関わっている脳の部位です。特に、空間記憶が必要となるゲームをしたときに、海馬の活性化が見られました。

 

ゲームと勉強には共通点があるから

一見、真逆のように思えるゲームと勉強には、共通点があります。これが、ゲームで頭が良くなると言われる2つ目の理由です。

ゲームと勉強の共通点には、「コツコツ成果を積み上げる」「試行錯誤する」などが挙げられます。一つの課題に向き合うという点で、ゲームも勉強も上達するメカニズムが同じため、ゲームで頭が良くなると言えるのです。

 

ゲームで伸ばせる7つの力

ここでは、ゲームで伸ばせる7つの力をご紹介します。なぜその力が勉強に生かせるのかも説明します。

 

論理的思考力

ゲームで鍛えられる1つ目の能力は「論理的思考力」です。「ロジカルシンキング」とも呼ばれている論理的思考力は、物事を筋道立てて考える能力を指します。ゲームでは起きている事象の全体像を把握し、戦略的に攻略していく必要があります。

この論理的思考があると、問題を論理的に分析し、適切な解決策を導き出せるだけでなく、事実や自分の意見を順序だてて話すときに役立ちます。これらは、科学、文章作成などで重要な能力です。

 

空間認知能力

「空間認識能力」もゲームで鍛えられる能力の一つです。空間認知能力とは、空間にある物の状態や関係を、すばやく正確に把握する能力のことです。

物事の位置関係や立体的な構造を理解できる空間認知能力は、数学や科学、さらには地理の学習に役立ちます。また、空間認識能力を鍛えると、身体能力が上がるという嬉しいメリットもあります。

 

創造性

自由に建物を組み立てたり、さまざまな能力を組み合わせて戦ったりするゲームでは、想像性が鍛えられます。

創造性は、新しいアイデアや解決策を生み出す能力でもあります。創造性が磨かれると、作文や課題で独創的な視点を提供し、他の人と差別化を図れるでしょう。

 

コミュニケーション能力

オンラインやオフラインで人と力を合わせてプレイするゲームでは、コミュニケーション能力が養われます。他の人と意見を交換し、協力し合える力であるコミュニケーション能力は、グループワークやディスカッション、プレゼンテーションにおいて不可欠です。

家族で協力するゲームを取り入れれば、親子の絆が深まるという嬉しいメリットもあります。

 

問題解決能力

問題解決能力は、ゲームの最中だけでなく、ゲームで負けたときにも発揮されます。「あのときどうすべきだったのか」と考えることで、問題を発見して解決する力が鍛えられるのです。

課題に直面したとき、効果的に解決方法を考え出す能力は、問題や研究課題に取り組む場面で役に立つでしょう。

 

探求心

探求心とは、興味を持ったことを追求してさらに知ろうとする気持ちです。子ども向けのゲームには、この探求心を刺激するさまざまな工夫が施されています。

探求心があれば、自分から積極的に学ぼうとする意欲が湧きます。新しい情報を調べたり、興味のある分野を深掘りしたりすることで、知識を広げられるのです。

 

目的達成力

ゲームでは必ずクリアしなければならないミッションがあります。最後までたどり着くためには、途中の障害や問題を乗り越えなくてはなりません。そのため、問題解決型のゲームでは、最後まであきらめない力、目的を達成する力が鍛えられるのです。

この目的達成力は、長期的な勉強計画や試験準備、プロジェクトの進行に役立ちます。

 

ゲームで頭を良くするために押さえておきたいポイント

 ここでは、子どもにゲームをさせるうえで、親が押さえておきたいポイントをお伝えします。

 

能力を伸ばせるゲームを選ぶ

ゲームで脳を活性化させるために、ゲーム選びは重要です。子どもが受動的ではなく、能動的に関われるゲームを選んでください。

先ほどご紹介した7つの能力を鍛えるのにおすすめのゲームはこちらです。

l  マインクラフト

l  幼児向け音感育脳システム | Force Club (フォルスクラブ)

l  アップTHEナンバー | ATEMクエスト(アテムクエスト)

 

ルールを決める

ゲームで頭が良くなるからと言って、やりすぎは良くありません。子どもの年齢にもよりますが、1日平均30分~1時間が目安でしょう。

ゲームの時間を決めるだけでなく、ゲームをいつするかも決めることができます。睡眠の質を保つため、寝る前は避けることをおすすめします。

これらのルールは親子で決めるのがポイントです。子どもは自分で決めたルールのほうが守りやすいからです。また、一人ではルールを守ることが難しい年齢の子どもには、親の監督下でゲームできる環境を整えることも大切です。

 

年齢制限や課金に注意する

ゲームの中には子どもがプレイするのにはふさわしくない内容のものもあります。年齢制限やゲーム内課金にも注意が必要です。子どもが安全にゲームを楽しみ、能力を伸ばすために、親は子どもがプレイしているゲームをしっかりと把握しておきましょう。

 

まとめ

ゲームで鍛えられた能力は、勉強でも役に立ちます。勉強に生かせる能力は、子どもが社会に出てから、自分らしく生きていくために必要な力でもあります。

無理やりゲームを禁止するより、ゲームの内容や費やす時間に気をつけて、子どもに楽しくゲームをさせたほうが、子どもを勉強に向かわせる近道かもしれません。本記事を参考にして、お子さんの学力向上にゲームを役立ててみてはいかがでしょうか。