検索する

AIカメラとは?何ができるのか・デメリットや活用事例を解説

2025年06月13日
AIカメラとは?何ができるのか・デメリットや活用事例を解説のサムネイル画像
根本 麻衣
IT系Webライター。IT系アウトソーシング会社の正社員として大手企業に常駐し、ネットワーク・クラウド・I P電話などの幅広い商材の提案営業を行う。その後、GAFAMにて営業支援を経て、独立。起業家やビジネス向けにSaaS・AIなど450本以上の記事執筆をしています。

近年、AIの急激な成長によって業界や業種を問わず、AIカメラを活用する企業が増えています。

AIカメラは、今まで人が目視で行っていた確認作業や監視作業を自動化できる方法として注目されているのです。

本記事では、AIカメラとは何か、4つの主な機能、導入メリット・デメリットについて解説します。

さらにAIカメラの具体的な活用事例もご紹介しているので、ぜひ参考にしてください!

 

AIカメラとは?何ができるのか簡単に解説

人が手作業で行っていた作業を代わりに行う方法として、AIカメラが注目されています。

ここでは、AIカメラとはどのようなものか、具体的にできることについて解説します。

 

AIカメラとは人工知能を活用した次世代カメラ

AIカメラとは、AI(人工知能)を搭載し、カメラが捉えた映像や画像をリアルタイムかつ自動的に分析・解析できるカメラを指します。

従来の監視カメラは、映像を記録することが主な役割であり、記録されたデータの確認は人が手作業で行っていました。

一方で、AIカメラは状況を理解して判断するといった高度な処理を得意としています。

そのため、防犯・監視といった用途に限らず、店舗のマーケティング分析や工場の安全管理など幅広い業界で活用が進んでいるのです。

 

AIカメラには何ができる?4つの主な機能

AIカメラでは、従来のカメラと同様に「映す・記録する」といった受動的な機能に加えて、「分析する・判断する」という能動的な役割を持っています。

カメラ自体がリアルタイムでデータを処理し、映像の中から必要な情報を抽出して通知・記録・判断を行うことで、人の目や手を介さずに多くの業務を自動化・効率化することが可能になります。

主な機能は以下の4つです。

 

機能

特徴

オブジェクトの検出

人や車、動物などの物体をリアルタイムで検出・識別し、自動で追跡する

顔認証

個人の顔を識別し、本人確認や入退室管理、マーケティング分析に活用できる

行動分析

人の動作や挙動から異常を検出し、事故防止や不審行動の早期発見に役立つ

領域検知

指定エリアへの侵入や退出を自動で検知し、セキュリティ対策や立入禁止区域の監視に活用できる

 

機能を組み合わせることで、AIカメラは単なる映像記録装置ではなく、現場を理解して判断するスマートな監視装置として進化しています。

今後は、カメラやセンサー自体にAI機能を搭載するエッジAIやクラウド連携の進化によって、さらにリアルタイム性や処理技術の精度が高まっていくでしょう。

 

AIカメラを導入するメリット・デメリット


さまざまな機能があるAIカメラですが、実際に企業ではどのような効果が得られるのでしょうか。

続いては、AIカメラを導入するメリット・デメリットについて解説します。

 

メリット

AIカメラを導入すると、今まで人が行っていた監視や確認作業をAIが自動化し、人的コストの削減や作業負担の軽減につながります。

例えば、製造現場では安全管理のために常に監視が必要ですが、AIカメラを活用すれば作業員の危険な動作や異常行動をリアルタイムで検知し、すぐに警告を発することができます。

その結果、事故の未然防止や迅速な対応が可能となり、現場の安全性が向上します。

また、顔認証や行動解析の機能であれば、オフィスや店舗のセキュリティを強化するだけなく、来訪者の傾向を把握したり、顧客の購買行動を分析したりといったマーケティングにも活用できます。

さらにAIカメラであれば24時間体制で稼働できるため、深夜や休日の監視体制も強化され、限られた人員での運用が可能となる点もメリットといえるでしょう。

 

デメリット

AIカメラを導入する際には、初期費用や運用コストがかかります。

導入には、カメラ本体の価格に加え、設置工事、ネットワーク整備、データ保存環境の構築など、さまざまな費用が必要となります。

また、AI技術を活用するためには、一定のIT知識や設定・分析を行うためのスキルが求められるという点もデメリットといえます。

運用中にも、誤検知への対応やソフトウェアのアップデート、データの取り扱いルールなどを継続的に管理していく必要があり、社内に専門知識を持つ人材がいない場合は外部ベンダーの支援が欠かせません。

さらに、顔認証や行動解析といった機能は個人のプライバシーに関わるため、導入時には従業員や利用者への配慮と、適切な情報管理体制が求められます。

 

AIカメラの具体的な活用事例


AIカメラを活用する方法はさまざまですが、ここでは実際に活用している企業の事例を紹介します。

 

建設現場での工事進捗をAIカメラで確認

大成建設株式会社は、AIカメラの導入により、建設現場での確認業務にかかる時間を1時間以上削減しています。

同社が開発した「工事進捗確認システム」では、今まで人が目視で確認していた施工状況や資機材の管理状態を、360度カメラと画像認識AIによって自動化に成功したのです。

簡単な操作で工事の進捗状況や資機材の所在などを自動で図面化してくれるので、スムーズな確認ができるようになり、工事関係者間の商談効率化にもつながっています。

参考:360度カメラ画像とAIを用いた「工事進捗確認システム」の本格運用開始-現場状況の遠隔確認と図面の自動作成により施工管理業務効率化を実現-

 

製造現場での安全管理にAIカメラを活用

コニカミノルタ株式会社は、独自のカメラ技術と画像認識AIを組み合わせ、製造現場で作業員の危険な動きを検知すると、自動でアラートが発報されるソリューションを展開しています。

同社のAIカメラ「ADDSAFE」では、人物の認識だけでなく、手や足など体の部位18点の検出が可能です。

そのため「稼働中の機械へ手を近づけたらアラートを鳴らす」「危険箇所へ足を踏み入れたら回転灯を回す」といった発報を自動化し、事故の未然防止に役立っています。

また、個人のプライバシー保護という観点においては、撮像された人物にモザイクをかける画像処理にも対応しているのです。

参考:カメラと画像AIで作業員の危険行動を検知し“安全・安心のスマートファクトリー”を実現

 

小売業で購買行動の分析にAIカメラを活用

株式会社東急ストアは、グローリー株式会社・伊藤忠食品株式会社と協業し、デジタルサイネージとAIカメラを組み合わせ、広告の最適化に活用しています。

同社は、店舗のデジタルサイネージやレジの近くにAIカメラを設置することで、来店客の行動を把握し、視聴率や属性などの把握と、集客や販売への分析に役立てています。

AIカメラを活用した購買行動分析によって、広告主への具体的な投資効果を示し、デジタルサイネージ広告価値の最大化につなげています。

参考:グローリー・東急ストア・伊藤忠食品がリテールメディア事業において協業を開始

 

AIカメラを活用すればビジネスを効率化できる

AIカメラでは、動画や画像をもとにさまざまな分析や解析を自動でできるため、幅広い業界・業種で活用されています。

単純に今まで人が行っていた作業をAIカメラにさせるというだけでなく、データを活用して経営戦略などにも役立てることが可能です。

自社のニーズに合ったAIカメラを選択し、ビジネスの効率化につなげてください。


関連記事