DeFiとは?特長や種類、注意点について徹底解説!
暗号資産やブロックチェーン技術に興味・関心がある方は、「DeFi」という単語を見聞きした経験があるかもしれません。最近、注目されている概念・サービスであり、次々に新しいDeFi関連プロジェクトが誕生し、市場規模が急速に拡大中です。
本記事では、DeFiの特長や、DeFi関連サービスの種類、注意するべき点を紹介します。暗号資産やブロックチェーン技術に関心がある方や、関連分野への投資を検討している方は、DeFiがどのようなものなのかを正しく理解しておきましょう。
DeFiとは?
DeFiとは、「Decentralized Finance」の略です。「ディーファイ」と読み、日本語では「分散型金融」と訳されます。
中央集権的な管理者が存在しない分散型金融エコシステムであり、イーサリアムなどのブロックチェーン上で、スマートコントラクト技術(契約を自動的に執行する仕組み)を用いて実現されます。
DeFiの特長
以下は、DeFiの特長です。
● ウォレットがあれば世界中のDeFi関連サービスを利用できる
● 24時間365日利用できる
● 透明性が高く、不正が起こりにくい
それぞれに関して詳しく説明します。
ウォレットがあれば世界中のDeFi関連サービスを利用できる
銀行・信用金庫・証券会社・FX業者などの金融サービスを利用するためには、会員登録や口座開設が必要です。日本の場合、本人確認書類があれば比較的簡単に口座を開設できますが、海外では口座開設のハードルが高い地域も存在し、そのような地域では口座を保有していない方が一定数存在します。
しかし、DeFiなら会員登録したり、口座開設したりする必要はありません。対応しているウォレットとインターネットに接続できる環境があれば、国籍や居住地などは問われることなく、誰もが世界中のDeFi関連サービスを利用できます。
24時間365日利用できる
銀行・信用金庫などの金融機関のサービスは、営業時間外には利用できません。インターネットバンキングで振込操作をする場合、深夜・早朝でも受付していることもあるでしょう。ただし、営業時間内でなければ、振込先口座に着金しないケースがあります。
他方、DeFiの場合、中央集権的な管理者が存在せず、営業時間という概念がありません。ブロックチェーン上で送金が実施される仕組みであり、24時間365日利用可能です。
透明性が高く、不正が起こりにくい
銀行などの金融システムのソースコードは、非公開です。また、部外者が資金の流れを検証することはできません。
他方、DeFiのソースコードは公開されており、透明性が高いことが特長です。また、ブロックチェーン上で資産の動きを確認・検証することが可能であり、不正が起こりにくいことも魅力です。
DeFiの種類
以下は、DeFi関連サービスの主な種類です。
● DEX(分散型取引所)
● レンディング
● リキッドステーキング
● ステーブルコイン
● デリバティブ
それぞれに関して詳しく説明します。
DEX(分散型取引所)
DEX(Decentralized Exchange、分散型取引所)とは、中央集権的な管理者が存在しない取引所です。
暗号資産同士のみ交換が可能で、法定通貨と暗号資産間での交換には対応していません。本人確認は不要です。ただし、ユーザーに対するサポートは実施されません。
レンディング
レンディングとは、暗号資産を貸し借りできるサービスです。暗号資産を貸し出すと、利息を獲得できます。また、暗号資産を担保として差し入れることにより、暗号資産の借り入れも可能です。なお、期限までに返済できなかった場合、担保として差し入れた暗号資産が強制的に清算(没収)されることにご留意ください。
なお、最近ブロックチェーンの同一トランザクション内で貸し借りすることで担保が不要になる「フラッシュローン」と呼ばれる仕組みも登場しています。
リキッドステーキング
リキッドステーキングとは、ステーキングする際に、担保として預け入れてロックされるトークンの代わりに、代替となるトークンを受け取れるサービスです。
PoSを採用している暗号資産では、ステーキングで報酬を得ることが可能です。ただし、ステーキングをするために担保として差し入れた分はロックされて取引できなくなるため、流動性が低下することが課題とされています。リキッドステーキングでは、代替トークンを受け取れるため、流動性低下の克服に役立ちます。
ステーブルコイン
ステーブルコインとは、米ドル・日本円・ユーロといった法定通貨やコモディティなどの資産価格と連動するように設計された暗号資産です。
例えば、暗号資産を担保としてステーブルコイン「ダイ(DAI)」を発行・管理するDAO(分散型自律組織)プロジェクトとして、「MakerDAO」があります。MakerDAOでは、イーサリアム(ETH)をはじめとする暗号資産を担保として、「1DAI=1米ドル」となるようにDAIを発行できます。
なお、担保として差し入れた暗号資産の価格が下落して最低担保率を下回った場合は清算されますが、追加で担保を差し入れて清算を防ぐことも可能です。
デリバティブ
デリバティブとは、株式などの現物価格に依存して価格が決定される金融派生商品のことで、具体例としては先物取引・オプション取引・スワップ取引などが挙げられます。
証券会社などの口座でもデリバティブ取引は可能ですが、DeFiの場合、中央集権的な管理者なしでデリバティブ取引を実施できます。
DeFiの注意点
DeFi関連サービスを利用する場合は、以下の点にご留意ください。
● スマートコントラクトに関するリスク
● トラブルが発生した場合、自分自身で責任を負わなければいけない
● 将来的に法規制が実施される可能性もある
それぞれに関して詳しく説明します。
スマートコントラクトに関するリスク
スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で自動的に契約を執行する仕組みであり、第三者の介在なしで取引が可能になります。
ただし、スマートコントラクトを実行するためのプログラムは、人間によって作成されるものである以上、不具合・バグが存在する可能性はゼロではありません。不具合・バグが悪用されて資産が流出する可能性があることを認識しながら、慎重にDeFiサービスを利用しましょう。
トラブルが発生した場合、自分自身で責任を負わなければいけない
銀行・信用金庫などに預けている預金に関しては、基本的に預金保険制度の対象です。そのため、万が一、金融機関が経営破綻しても、普通預金や定期預金であれば元本1,000万円までと破綻日までの利息が保護されます。(外貨預金など一部の預金は保護対象外です。)
他方、DeFiの場合、預け入れた暗号資産が保護される仕組みはありません。ハッキングなどで暗号資産が盗まれても、自己責任とされ、補償を受けられないことにご留意ください。
将来的に法規制が実施される可能性もある
現時点(2024年11月時点)では、法整備が追いついていないため、自由にDeFiサービスを利用できます。
しかし、規制の必要性が叫ばれており、将来的にはDeFiに関する法整備が進み、DeFi関連サービスの利用が制限されるかもしれません。DeFi関連サービスを利用するのであれば、各国の金融当局の動向を注視し、暗号資産・ブロックチェーン関連のニュースを定期的にチェックすることが大切です。