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スマートコントラクトとは?仕組みや活用するメリットを詳しく解説!

2025年01月17日
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大竹麻佐子
・保有資格 :ファイナンシャルプランナー(CFP🄬)・相続診断士
・経歴 :証券会社、銀行、保険会社など金融機関での勤務を経て2015年FPとして独立。より豊かに自分らしく生きるためには、「お金と向き合うこと」が大切との想いから、相談・執筆・講師活動を行う。知識だけでない経験を踏まえたアドバイス&サポートを提供。
ゆめプランニングhttps://fp-yumeplan.com/

暗号資産に興味・関心がある方であれば、一度は「スマートコントラクト」という用語を見聞きした経験があるかもしれません。ただし、「どのようなものなのか正確に理解できていない」とお悩みの方が多いようです。

そこで、本記事ではスマートコントラクトがどのようなものなのかを徹底解説します。活用するメリットや、スマートコントラクトを用いたプロダクト・ソリューションの例、課題・注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

スマートコントラクトとは

スマートコントラクトとは、ブロックチェーンを用いて契約を自動的に執行する仕組み(一定のルールに基づいて自動的に実行されるプログラム)です。

1996年に、Nick Szabo氏によって「スマートコントラクト」というコンセプトが発表されました。

その後、Vitalik Buterin氏によって開発された暗号資産「イーサリアム」のブロックチェーンに、スマートコントラクトが可能な仕組みが実装されました。

現在では、イーサリアムのほかにも、スマートコントラクト機能が実装されたブロックチェーンが多数登場しています。

なお、スマートコントラクト技術によってブロックチェーン上で実行されるアプリケーションは、「DApps(分散型アプリケーション)」と呼ばれ、NFTゲームやブロックチェーンゲームなどに活用されています。

 

スマートコントラクトを活用するメリット

以下、スマートコントラクトを活用する主なメリットを紹介します。 

 

第三者を介さずに契約・取引が可能

通常の金融取引を行う場合には、銀行や証券会社などの金融機関、つまり第三者が介在します。そのため、手続きに時間がかかり、また手数料も発生します。資産が盗まれる可能性についてもゼロではありません。

しかし、スマートコントラクトが可能なブロックチェーンを用いれば、第三者の介在なしでスムーズに契約・取引が可能です。

 

記録を改ざんできない

従来の紙ベースでの取引では、悪意のある人物によって契約書の内容を改ざんされるリスクがあります。

それに対し、スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で実行されるため、誰でも記録を閲覧可能であり、透明性が高いことが特長です。ブロックチェーン上の記録はネットワーク参加者によって分散管理されており、当事者によって改ざんできません。そのため、不正行為を防止できます。

 

コスト削減につながる

スマートコントラクトを活用すれば、第三者の介在なしで、当事者間で契約を締結し、契約を執行できます。

そのため、手数料を仲介業者に支払う必要がありません。コストを削減したいのであれば、スマートコントラクトを活用した契約も選択肢として有効です。             

 

スマートコントラクトを用いたプロダクト・ソリューションの例

ここからは、スマートコントラクトを用いたプロダクト・ソリューションの例を紹介します。

 

ブロックチェーンゲーム

ブロックチェーンゲームとは、中央集権的なサーバー上でキャラクターなどのデータが管理されるのではなく、ブロックチェーン上で分散管理されるゲームです。

キャラクターやアイテムはNFTとして実装されており、スマートコントラクトに基づいてブロックチェーン上で生成・発行・管理・流通されます。

 

DeFi(分散型金融)

DeFiDecentralized Finance、分散型金融)とは、中央集権的な金融機関の存在なしで金融サービスを実現する仕組みです。

スマートコントラクトによって、ブロックチェーン上で自律的な取引仲介が実施されます。

さまざまなプラットフォームが存在し、2020年ごろからDeFiサービスの利用者が急増しています。

 

保険

保険業界においても、スマートコントラクトの活用が広がっています。

保険契約の要件をスマートコントラクトとして書き記しておくことで、保険金支払い手続きを簡素化することが可能です。

例えば、2022年には航空機が遅延・欠航した場合に、スマートコントラクトによって補償を受けられる仕組みの保険がリリースされました。

情報を外部から取り込むことで自動的に支払いの可否が判断され、条件を満たす場合は暗号資産で保険金が支払われます。

 

スマートコントラクトの課題・注意点

以下、スマートコントラクトの課題・注意点を紹介します。 

 

バグや脆弱性が存在する可能性がある

スマートコントラクトのプログラムは人間が作成するため、何らかのバグ・脆弱性が存在する可能性があります。

過去、イーサリアムのブロックチェーン上でスマートコントラクトの脆弱性が悪用された事件が実際に発生しました。

例えば、20166月には、60億円相当の資産が何者かによって盗まれる被害が発生しています。

 

スマートコントラクトに関する法律・制度が整備されていない

スマートコントラクト上で執行された契約が、現実世界の法律と衝突する可能性は否定できません。

現状では、どのような場合にスマートコントラクトによる契約が有効とされるのか(許容されるのか)が不明確です。

 

プライバシーに関する問題

スマートコントラクトによる契約の内容は、ブロックチェーン上に記録されるため、透明性が高く、参加者によって不正行為が監視され、記録の改ざんが困難という特長があります。

ただし、誰でも閲覧できるがゆえに、「個人の特定が容易になる」など、プライバシーの観点では課題があります。個人が特定されなかったとしても、契約内容によっては、契約の存在自体を他者に知られたくない場合もあるでしょう。

今後、「特定の参加者のみがアクセス(閲覧)可能なプライベート型ブロックチェーンを用いて、参加者の認証を行う」などの対策によって、プライバシーの保護に関する課題が克服されることが求められます。

 

スマートコントラクトの展望・将来性

以下、スマートコントラクトの今後の展望・将来性に関して考察します。

 

契約を自動執行する際に分散型オラクルによって現実世界のデータを取得

各種契約をスマートコントラクトで執行するためには、現実世界のデータを何らかの方法で取得し、ブロックチェーン上に反映させなければいけません。

例えば、「事故・故障が発生したら、AB100万円を支払う」という契約の場合、「本当に事故・故障が発生したのか」を確認するための情報が不可欠です。

ただし、人間の手で確認作業を実施するのでは、スマートコントラクトの「人手を介さずに契約を執行できる」という利点が失われます。

そこで、各種IoT機器(機械に設置してあるセンサーなど)のデータへの自動アクセスや、気象情報データなどのAPIへの自動アクセスを実施し、人手を介さずに条件を満たした場合に自動的に執行する仕組みが必要です。

なお、企業・国家機関が中央集権的に情報を提供するのではなく、さまざまな組織によって情報が提供・共有されるメカニズムを「分散型オラクル」と呼びます。

保険業界を中心に分散型オラクルの利用が進められており、今後、さまざまな分野・領域で活用されることが期待されます。

 

セキュリティに関する研究が精力的に進められている

近年、主にイーサリアムのブロックチェーンを対象として、スマートコントラクトのセキュリティに関する研究が精力的に進められています。

ただし、現状では、あらゆる攻撃を予見・防止できるわけではないため、さらなる研究が必要です。

今後、セキュリティ水準が向上すれば、社会のさまざまな分野・領域でスマートコントラクトが活用される時代が到来するかもしれません。日頃から暗号資産やスマートコントラクトに関するニュースをチェックしましょう。

 


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