暗号資産(仮想通貨)のウォレットとは?オンラインウォレットなど、5つの種類について詳しく解説
暗号資産を保管する際には、「ウォレット」と呼ばれるツールが使用されます。「オンラインウォレット」「デスクトップウォレット」「モバイルウォレット」「ハードウェアウォレット」「ペーパーウォレット」の5つの種類があるため、それぞれの特長を把握しておきましょう。
また、「インターネットに接続されているかどうか」という観点では、「ホットウォレット」と「コールドウォレット」の2種類に分類することも可能です。
本記事では、暗号資産の初心者に向けて、ウォレットに関して徹底解説します。ウォレットを利用する際に注意するべき点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
暗号資産のウォレットとは?
暗号資産ウォレットとは、暗号資産(ビットコインやイーサリアムなど)の本体である「秘密鍵」を保管するためのツールです。単に「ウォレット」とも呼ばれます。保管だけではなく、暗号資産を他者に送金したり、他者から受け取ったりするためにも用いられます。
さまざまな種類があるため、各タイプの特長を把握したうえで、目的に応じて使い分けることが大切です。
暗号資産ウォレットの種類
以下は、暗号資産ウォレットの種類です。
● オンラインウォレット
● デスクトップウォレット
● モバイルウォレット
● ハードウェアウォレット
● ペーパーウォレット
それぞれに関して詳しく説明します。
オンラインウォレット
オンラインウォレット(ウェブウォレット)とは、オンラインでつながっている暗号資産ウォレットです。
暗号資産取引所で提供されているウォレットは、このタイプに分類されますが、クラッキングのリスクを低減するために一部だけオンラインで管理し、大部分をオフラインで管理するケースも多く見受けられます。なお、暗号資産取引所を運営せず、オンラインウォレットサービスのみを提供している事業者も存在します。
デスクトップウォレット
デスクトップウォレットとは、パソコンにインストールして利用するタイプの暗号資産ウォレット(ソフトウェア)です。なお、ブロックチェーンを全部ダウンロード・同期する「フルノード型(完全版)」と、一部のみダウンロード・同期する「軽量型(簡易版)」の2種類があります。
ビットコインの公式ウォレット「Bitcoin Core」が、デスクトップウォレットの代表例です。Bitcoin Coreはフルノード型のデスクトップウォレットで、Windowsのほか、macOSやLinuxへのインストールにも対応しています。
モバイルウォレット
モバイルウォレットとは、モバイル端末(スマートフォンやタブレット)にインストールして利用するタイプの暗号資産ウォレット(アプリ)です。
端末とインターネットに接続できる環境があれば、通勤・通学中・昼休みなど、いつでもどこからでも利用できるので便利です。
ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットとは、USBメモリ型のデバイス(ハードウェア)で管理するタイプの暗号資産ウォレットです。
インターネットに接続せずに完全にオフライン状態で管理するため、安全性が高く、クラッキング被害を回避できます。大量の暗号資産を長期間、安全に保管したい方は、ハードウェアウォレットを利用することも検討しましょう。
ペーパーウォレット
ペーパーウォレットとは、紙に秘密鍵を書いたり、印刷したりして保管する手法です。紙なので、火災で焼失しないように、耐火金庫などに入れておきましょう。
また、水に濡れるとインクがにじんで読めなくなる可能性があるため、防水加工したり、金属板に刻印したりすることもご検討ください。
「インターネットに接続されているかどうか」という観点で分類することも可能
ウォレットは、「インターネットに接続されているかどうか」という観点・切り口では、以下の2種類に分類することが可能です。
● ホットウォレット
● コールドウォレット
それぞれに関して詳しく説明します。
ホットウォレット
ホットウォレットとは、インターネットに接続されている状態の暗号資産ウォレットです。オンラインウォレットのほか、デスクトップウォレットやモバイルウォレットも、インターネットに接続されている状態であれば、ホットウォレットに該当します。
暗号資産を送金したり、受け取ったりするためには、ホットウォレットを利用する必要があります。ただし、クラッキング被害に遭ったり、ウイルスに感染したりするリスクがあるため、大量の暗号資産を長期的に保管する手段としては適しません。
コールドウォレット
コールドウォレットとは、インターネットに接続されていない暗号資産ウォレットです。外部からクラッキングされて暗号資産が流出する心配がありません。長期間利用する予定がなく、大量の暗号資産を安全に保管したい場合は、コールドウォレットを使用しましょう。
なお、ハードウェアウォレットやペーパーウォレットは、インターネットに接続されていないため、コールドウォレットに該当します。また、デスクトップウォレットやモバイルウォレットも、オフラインで利用してる場合はコールドウォレットの状態です。
目的に応じてウォレットを使い分けることが大切
暗号資産ウォレットは1種類しか利用できないわけではありません。目的に応じて、複数種類のウォレットを上手に使い分けましょう。
例えば、長期間安全に保管したい分に関しては、ハードウェアウォレットやペーパーウォレットで管理しつつ、ショッピングで利用したり、トレードしたりする分に関しては、デスクトップウォレットやモバイルウォレット、オンラインウォレットで管理することもご検討ください。
ウォレットを利用する際の注意点
暗号資産ウォレットを利用する際は、以下の点に注意しましょう。
● リカバリーフレーズを厳重に管理する
● ハードウェアウォレットは正規の店舗から購入する
● ペーパーウォレットは焼失や汚損に注意
それぞれに関して詳しく説明します。
リカバリーフレーズを厳重に管理する
リカバリーフレーズとは、デスクトップウォレットやモバイルウォレット、ハードウェアウォレットの利用を開始する際に生成される12~24個の単語で構成された文字列です。「シードフレーズ」や「復元フレーズ」と呼称される場合もあります。
紛失したり故障したりしても、リカバリーフレーズがあればウォレットを復元することが可能です。クラッキングされてリカバリーフレーズを盗まれないように、オフラインで厳重に管理しておきましょう。
ハードウェアウォレットは正規の店舗から購入する
フリマアプリやオークションサイトなどで検索すると、ハードウェアウォレット用のデバイスが出品されている場合があります。
しかし、個人間で取引される中古品は、ウイルスが混入されているリスクがあるため、推奨できません。ハードウェアウォレットは、公式サイト(正規店)から新品を購入しましょう。
ペーパーウォレットは焼失や汚損に注意
ペーパーウォレットは、紙があれば手軽に作成できますが、火災で焼失したり、盗難に遭ったりする可能性があります。また、表面が汚れたり、インクがにじんだりして秘密鍵の文字列が読めなくなる場合もあります。
秘密鍵が分からなくなることは、暗号資産を失うことと同義なのでご注意ください。「耐火金庫に入れる」「防水加工する」「金属の板に刻印する」といった対策を講じましょう。