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NFTアートとは?売買方法や利益の出し方を詳しく解説!

2024年10月31日
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水野 崇
水野 崇(CFP®︎ / 1級FP技能士) https://mizunotakashi.com/

水野総合FP事務所代表。独立系ファイナンシャルプランナー。学校法人専門学校東京ビジネス・アカデミー非常勤講師。キャリア20年超の株式トレーダー。

東京理科大学理学部卒業後、東京エレクトロン株式会社に就職。2003年、30歳で早期退職し、株式専業トレーダーへ転身。これまでに年間最高売買代金350億円超、月間最高利益2414万円を達成。現在は独立系FPとして多岐にわたって活動し、相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、メディア出演など多方面で活躍している。

主なテレビ出演は、テレビ朝日『グッド!モーニング』、BSテレ東『マネーのまなび』、TOKYO MX『日曜はカラフル2』など。NHK土曜ドラマ『3000万』の家計監修を担当。

【保有資格】CFP®︎|1級ファイナンシャル・プランニング技能士|宅地建物取引士|日本証券アナリスト協会検定会員補|証券外務員1種 他

最近、NFTアートという単語を見聞きする機会が増加しましたが、「どのようなものなのか正確に把握できていない」とお悩みの方もいるでしょう。

そこで、本記事ではNFTアートについて徹底解説します。NFTアートの特長や、売買方法および利益の出し方、注意するべき点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

NFTアートとは

NFTアートとは、NFTを用いたデジタルアートです(「NFT」がどのようなものなのかは後述)。

従来のデジタルアートは、簡単に複製や改変が可能なため、資産価値が低い傾向がありました。物理的実体のあるアート作品(絵画・彫刻など)の場合、「本物」と「偽物」を鑑定によって判別できますが、従来のデジタルアート(NFT化されていないデジタルアート)では判別できません。

しかし、NFTを用いれば唯一無二の作品であることを証明できる(「本物」と「偽物」を判別できる)ため、デジタルアートに資産価値が生じ、中には高額で取引される作品も存在します。

 

NFTとは

NFTとは、「Non-Fungible Token(ノンファンジブルトークン)」の略で、日本語では「非代替性トークン」と訳されます。唯一無二の価値を有するトークンで、他のトークンと代替できません。

それに対し、唯一無二の価値を有さず、他のトークンと交換しても本質的な価値が変わらないトークンは、「Fungible Token(ファンジブルトークン)」と呼ばれます。例えばビットコインは、ある人が持っている1BTCを、別の人が持っている1BTCと交換しても本質的には変わらないため、ファンジブルトークンです。

「サイン入りのシャツ」をイメージすると、NFTの性質の理解に役立つかもしれません。単なるシャツであれば、他のシャツと交換しても価値は同じです。しかし「著名人のサイン入りのシャツ」であれば、他のシャツと同じではなく、唯一無二の価値があり、高値で取引される場合もあります。

NFTを用いれば、デジタルアートに唯一無二の価値を与えることが可能です。なお、多くのNFTは、イーサリアムのブロックチェーンのトークン規格(ERC721など)に準拠して発行されています。

 

NFTアートの特長

以下は、NFTアートの特長です。

 

       ブロックチェーン技術が用いられているため、改竄できない

       プログラマビリティがある

       相互運用性がある

 

それぞれに関して詳しく説明します。

 

ブロックチェーン技術が用いられているため、改竄できない

NFTのデータは、特定のサーバーで集中管理されているわけではなく、イーサリアムなどのブロックチェーン上で分散管理されています。

ブロックチェーン(P2Pネットワーク)上のノードが相互に監視しているため、悪意を持つ人物がいたとしてもデータを改竄できません。

 

プログラマビリティがある

プログラマビリティがあることも、NFTの魅力として挙げられます。プログラマビリティとは、さまざまな付加機能をプログラムできる性質です。

具体的には、二次流通時のロイヤリティや取引数量の制限などを事前にプログラムできます。「作者の手元を離れてからも、流通時に購入代金の一部が作者に送金される」といった設定をしておけば、スマートコントラクトによって自動的に執行され、長期的に稼ぐことが可能です。

 

相互運用性がある

相互運用性があることも、NFTの利点です。イーサリアムのブロックチェーンのトークン規格「ERC721」など、NFTには共通規格が存在するため、特定事業者のプラットフォームに依存せずに済みます。

例えば、ERC721に準拠したNFTであれば、ERC721に対応した世界中のマーケットプレイスやウォレットで取引が可能です。

 

NFTアートの売買方法および利益の出し方

以下は、NFTアートの主な売買方法および利益の出し方です。

 

       NFTマーケットプレイスで売買する

       自分自身でNFTアートを制作して販売する

 

それぞれに関して詳しく説明します。 

 

NFTマーケットプレイスで売買する

さまざまな事業者が、NFTマーケットプレイス(ユーザー間でNFTを売買するためのプラットフォーム)を運営しています。

NFTマーケットプレイスでは、日本円や、イーサリアムなどの暗号資産を用いて簡単にNFTの売買が可能です。他者が制作したNFTアートを安い価格で購入し、高い価格で売却すれば、差額分の利益を得られます。

 

自分自身でNFTアートを制作して販売する

他者が制作したNFTアートを購入して、購入価格よりも高値で売却する方法の他に、自分自身で制作したNFTアートを販売して利益を得る方法もあります。

デジタルアート(JPEG形式やPNG形式などのファイル)を作成し、NFTマーケットプレイスにアップロードすることで、NFTアートを作成可能です。なお、NFTを作成することを「ミント(鋳造)する」と表現します。

通常のアートと同様に美的センスが問われますが、自信がある方はNFTアートの制作・販売に挑戦してはいかがでしょうか。

 

NFTアートに関する注意点

NFTアートを売買・制作する場合は、以下の点に注意しましょう。

 

       必ず利益が出るわけではない

       現時点では法整備が追いついていない

       手数料がかかる

 

それぞれに関して詳しく説明します。

 

必ず利益が出るわけではない

常に購入した価格よりも高い価格で売却できるわけはありません。売買のタイミングによっては、損失を被る場合があることにご留意ください。作品の将来性や市場動向を予測しつつ、適切なタイミングで売買する必要があります。

赤字になる可能性も考慮し、生活に必要な資金は使わず、失っても問題ない余裕資金でNFTアートに投資しましょう。

 

現時点では法整備が追いついていない

NFTアートは新しい分野・領域であるため、法整備が追いついていない面があります。また、NFTは国境をまたいで取引されるため、国ごとに法制度が異なり、把握が困難なことにも注意しなければいけません。

例えばフランスなどでは、作品が転売された際に、創作者に対して取引額の一定割合を支払うことが定められています。日本の国税庁では、NFT取引に関する税務上の取扱いをFAQで公表していますが、現状は不明確な部分も多く、これから法制度が整備されることが予想されるので、動向を注視しましょう。

 

手数料がかかる

NFTは、「イーサリアム」「ポリゴン」「ポルカドット」などのブロックチェーン上で生成・流通しています。ブロックチェーン上でNFTを送付する際には、一定のトランザクション手数料が発生することにご留意ください。

例えば、「ERC721」に準拠したNFTの場合、送付する際に「ガス代」(イーサリアムのブロックチェーン上でトークンを送付するために必要な手数料)がかかります。なお、イーサリアムのネットワークが混雑している状況では高騰し、混雑していない状況では割安になるため、都度どのくらいの手数料がかかるのかをご確認ください。

 

NFTアートの未来

長期的には、暗号資産やNFTの市場規模は拡大傾向にあり、今後、法整備が進めばNFTアートを売買する人口のさらなる増加が期待されます。

「利益を出す」という投資目的ではなく、利益を考えずにNFTアートを純粋に楽しむ方もいます。また、地域の景観や特産物などをモチーフにしたNFTアートを「ふるさと納税」の返礼品として採用している自治体も増加中です。

今後も多種多様な活用方法が考案されることが予想されるので、日々、NFTアートに関連した情報をチェックしましょう。