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イーサリアムの将来性について考察!これまでの歴史を振り返り、今後の価格推移を予想

2025年06月18日
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金子賢司
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。
以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はジャザサイズ。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。

2025年時点では、イーサリアムの価格は、ビットコインと比べると低い水準を推移しています。そのため、「将来性があるのだろうか」と気になっている方もいるのではないでしょうか。

しかし、イーサリアムは、NFTDeFi・ブロックチェーンゲーム・DAOなどで幅広く活用されており、開発者のヴィタリック・ブテリン氏が価格上昇につながる可能性がある施策を実施する旨を公表しています。そのため、今後の価格上昇が期待されます。

本記事では、過去から現在に至るまでのイーサリアムの歴史・価格推移を振り返り、2025年の動向も分析した上で、将来性と今後の価格推移を予想するので、ぜひ参考にしてください。

 

イーサリアムとは

イーサリアム(Ethereum)とは、DAppsDecentralized Application、分散型アプリケーション)を開発・実行するための分散型プラットフォームで、ブロックチェーン技術を基盤としています。

ビットコイン(Bitcoin)とは異なり、スマートコントラクト機能(ブロックチェーン上で自動的に契約を執行する仕組み)が実装されていることが特徴です。

なお、「イーサリアム」はプラットフォームの名称であり、そこで流通・利用される暗号資産は「Ether(イーサ)」と呼ばれます。イーサは、暗号資産取引所などでは「ETH」と略記されることが多く見受けられます。

 

イーサリアムの歴史・価格推移

以下、イーサリアムの誕生から2019年までの期間と、2020年から2024年までの期間に分けて、過去の歴史(価格推移を含む)を振り返ります(2025年に入ってからの動向に関しては後述)。

 

イーサリアムの誕生から2019年まで

イーサリアムは、2013年にヴィタリック・ブテリン氏によって構想が示され、20157月に正式運用が開始されました。

その後、20166月に「The DAO事件」と呼ばれるクラッキング事件が発生しますが、ブロックチェーンのハードフォークによってクラッキングで受けた被害を除去する措置が実行されます。

この際に、ハードフォーク前のブロックチェーンを支持する保有者が一定数存在したことにより、コミュニティが分裂しました。

そして、ハードフォーク前のブロックチェーンも、「イーサリアムクラシック(ETC)」として運用が続けられています。

20157月には「1ETH0.75米ドル」程度の価格でしたが、2017年末から2018年初頭にかけての「暗号資産バブル」の時期に1,400米ドルを突破します。この時期には、イーサリアムだけではなく、暗号資産全般の価格が高騰していました。

イーサリアムの価格が高騰した原因・背景としては、ICOInitial Coin Offering、暗号資産を新規発行することで事業資金を調達する仕組み)などによる需要増が挙げられます。

2018年初頭に暗号資産バブルが崩壊した後は、価格が停滞する時期がしばらく続きました。

 

2020年から2024年まで

この頃から、NFTNon-Fungible Token、非代替性トークン)やDeFiDecentralized Finance、分散型金融)といった新しい仕組み・サービスが普及し、イーサリアムのブロックチェーンの活用事例が増加します。

NFTは、ブロックチェーンゲームのキャラクターやアイテム、NFTアートなどで活用されており、名称を見聞きしたことがある方もいるのではないでしょうか。

イーサリアムの需要が高まったことにより、2021年に入ってから価格が上昇トレンドに転じます。そして、202111月には史上最高値の「1ETH4,891米ドル」に到達しました。

しかし、2022年以降は、再び価格が停滞する時期に突入します。なお、20229月に、アップグレード「The Merge」が実施され、コンセンサスアルゴリズムがPoWProof of Work)からPoSProof of Stake)に変更されました。

また、20243月には、レイヤー2(メインネット上に構築されたネットワーク)の手数料削減などを目的とするアップグレード「Dencun」が実施されます。

20245月には、米国のSEC(証券取引委員会)がイーサリアムの現物ETFを承認します。その結果、機関投資家の資金が流入しました。

ただし、資金の流入量は限定的であり、2021年に到達した最高値は超えていない状況です。

 

2025年のイーサリアムの動向

202557日に、大型アップグレード「Pectra」が実施され、バリデーター(トランザクションを承認する役割を担うネットワーク参加者)のステーキング上限が32ETHから2,048ETHに引き上げられました。この結果、バリデーターの数が減少し、ネットワークの速度が向上することが期待されています。

なお、20255月下旬時点では「1ETH2,5002,600米ドル」程度の価格水準を推移しており、202111月に到達した最高値4,891米ドルを越えられない状況が依然として続いています。

ビットコインと比較すると、価格の面では停滞していることは否定できません。

価格が停滞している原因としては、20243月に実施された「Dencun」アップグレードの結果、多くのユーザーが安価なレイヤー2を利用するようになり、レイヤー1の利用が減り、ガス(手数料)代収入が減少したことが挙げられます。

 

イーサリアムの将来性と今後の価格推移

価格面だけに着目すると、イーサリアムは、ビットコインに比べて停滞している印象を受けます。

しかし、イーサリアムのブロックチェーンは、NFTDeFi・ブロックチェーンゲーム・DAOなど、幅広いプロジェクトで活用されており、今後も実利用の拡大が見込まれるため、将来性がある銘柄といえるでしょう。

202557日にアップグレード「Pectra」が実施されたことにより、イーサリアムの価格が上昇トレンドに転換する兆しが見受けられます。

また、イーサリアムの開発者であるブテリン氏は、年間71.3ETHをバーンすることを含む戦略をブログ上で示しているため、今後の動向に注目です(原文は「Ethereum would burn 713,000 ETH per year」)。

ブログに記載されている内容がそのまま実現するかどうかは不明であるものの、市場に出回るETHの量が減少すれば、今後価格が回復軌道に乗る可能性があります。

 

まとめ

イーサリアムのブロックチェーンは、NFTDeFi・ブロックチェーンゲーム・DAOなど、多種多様なプロジェクトで活用されており、将来性のある銘柄といえるでしょう。

20255月時点では、ビットコインと比較すると価格が停滞している印象があるものの、開発者のブテリン氏が一定数量のETHをバーンすることを含む戦略を示しており、今後価格が上昇トレンドに転じる可能性があります。

なお、価格の推移を正確に言い当てることは誰にもできません。暗号資産の価格は、しばしば乱高下するものです。

イーサリアム公式サイトや暗号資産関係のニュースをこまめにチェックし、投資するタイミングを慎重に見極めた上で、余裕資金の範囲内でトレードすることを心がけましょう。


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