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比較にならない!4oから進化を続ける 「ChatGPT‑5」でできること

2025年10月21日
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山崎みしえる
ディレクショントウキョウL&J代表
編集者
株式会社リクルート出身。その後、2014年に自身が起業した会社をM&Aで売却。以降、ESG/サステナブル経営、AI領域まで幅広く執筆・監修・取材協力・媒体出演を行う。
2020年11月にOpenAIよりChatGPTが日本公開されて以降は、AIに関する執筆、企業支援を開始。業務効率化をメインとしながら、個人ではAIプロンプトでの楽曲制作、AIキャラクターデザイン、CM制作なども行っている。プロフィール写真もAIによるもの。

AIChatGPT」と認識している方も多いでしょう。202587日、OpenAIは次世代モデルの「GPT-5」を正式リリースしました。これは、AIツールの新たなスタンダードを築く革新的な発表として、注目を集めています。

ChatGPT5はどのような進化を遂げているのか、また、それはビジネスシーンにどのような影響をもたらすのでしょうか。

本コラムでは、ChatGPT 5の最新アップデートを確認します。さらにGoogleが開発した「Gemini」との比較を通じ、この次世代AIが私たちの働き方や創造性をどう変えるのかを解説します。

 

ChatGPT 5アップデート:論理的思考と推論能力が飛躍的に向上!

GPT-5」は、202587日、に登場し、前世代の4oより大幅に進化しました。

まず、ハルシネーション(もっともらしい嘘を言う現象)の抑制が強化され、虚偽情報の生成リスクが大幅に低減しました。特に長文の生成速度が遅すぎる、または途中で生成をやめてしまうなど、4oモデルで多くのユーザーが指摘していた、プロセス停滞や応答切断といった挙動も顕著に減少しました。

長文生成においては、その一貫性も飛躍的に向上し、途中で論理が破綻したり、矛盾したりすることが各段に少なくなりました。

これにより、レポートや論文、ビジネス文書、企画書草案などの精度も高まることが期待されます。

また、ChatGPTの全モデルが苦手としていたのが生成速度でした。これについてもGPT-5モデルでは改善したといえます。

GPT-5では、処理の安定性と持続性が強化され、その滑らかさに思わず驚きの声を上げた人も多かったはずです。これにより、効率的かつ中断のない作業フローが実現されています。

さらには、これまでより複雑な問題解決を担うコンサルタント的存在へ進化。複数の情報源を統合し、数学的推論、市場予測なども処理可能となりました。単純な文章生成や情報検索だけでなく、戦略立案や意思決定支援まで幅広く活用できるAIへと変貌を遂げています。

アップデートを繰り返し、日進月歩で高度化しているChatGPT-5ですが、2025925日、新機能「ChatGPT Pulse」を発表しました。

これは、チャット履歴やカレンダーなどの連携アプリの情報をもとに、パーソナライズされた最新情報を一日の始まりにまとめて提供するモバイル専用機能です。

毎日、その日のトピックをまとめた視覚的に分かりやすいカードを、スマートフォンの大きなポップアップ通知として表示できるようになりました。

現時点では月額200ドル(約3万円)のProプラン加入者のみのサービスですが、OpenAIは近いうちに月額20ドル(約3,000円)のPlusプラン加入者にも提供すると表明しています。その後、全ユーザーに展開する予定です。

 

ChatGPT 5 vs. Gemini:得意分野と限界の比較

 

ChatGPT 5の優位性

ChatGPT 5は文章生成を目的に開発された大規模言語モデル(LLM)です。膨大なテキストを事前学習し、人間のような自然な文章を生み出すことが設計思想の根幹です。

その誕生の歴史から、原稿やレポートの執筆、解説文や要約などの領域においては、やはり独走状態といっても過言ではないでしょう。

特に、複雑な情報を整理して論理的に構築する能力にたけており、学術レポートやビジネス文書、技術マニュアルの作成において、強みがあります。

要約や解説文の生成も精度が高く、人間が時間をかけて行う作業を瞬時にこなせます。そのため、文章作成や情報整理の分野では、現段階でほかのAIを圧倒する存在であり、実務や教育、研究においても即戦力として活躍しています。

また、スマホアプリ向けに最適化されているChatGPTAdvanced Voice Mode(音声会話機能)」は、GPT-4oを「ネイティブ・マルチモーダルモデル」として活用しています。

このモードでは、音声入力・出力を直接処理し、速度やニュアンスまで捉えた対話が可能です。音声キャラクターは「Juniper(明るく開放的な女性の声)」など男女複数のキャラクターが用意されており、本物の人間のように寄り添ってくれるため、メンタルサポート、学習、エンタメまで幅広く活用可能です。

例えば、Juniperの会話では以下のような応答が得られます。

 

ユーザー:「今日は上司に勉強会へ誘われたけど、業務が立て込んでいたから断りました。評価は下がる?」

Juniper:「状況を正直に伝えたのは誠実な対応だと思う。業務を優先する判断はプロとして当然だし、信頼にもつながるよ。」

 

このような寄り添いや共感を伴う応答は、無料ユーザーには「Standard Voice」が提供されており、複数モデル(GPT-4oなど)を利用して応答を生成します。

無料版では、基本的な音声入力・出力が可能ですが、利用回数や時間には明確な上限が設けられています。一方、有料版(Plus/Pro)では、より自然で感情表現豊かな「Advanced Voice」も利用でき、制限も大幅に緩和されます。

音声入力・出力、マイクやスピーカーとの連携、高度な音声解析や会議録音の自動要約などは、スマホアプリのほうがスムーズですので、ビジネスシーンでアプリ版を活用すれば業務フローは確実に拡張します。

この変化により、単にタイムパフォーマンスの効率化だけでなく、複雑なタスクをシンプルにできるなど、その可能性は飛躍的に高まるはずです。

 

Gemini」の優位性との比較

GeminiGoogle検索と連携し、リアルタイムで最新情報を取得できる点が強みです。マルチモーダル性にも優れ、画像、動画、音声など多様なデータを理解可能です。

現在のユーザー数では、ChatGPTが圧倒的な優位性を誇ります。

20259月時点で、ChatGPTは週間アクティブユーザー数が約8億人に達し、1日あたりの利用者数は約19,060万人、月間訪問数は約572,000万回に上ります。

対照的に、Geminiの月間アクティブユーザー数は約45,000万人、1日あたりの利用者数は約3,500万人とされています。

すなわち、ChatGPTGeminiの約5倍の規模を誇り、ユーザー数において圧倒的な差をつけています。

また、ChatGPT 5の真価は、サードパーティ製プラグインやAPIとの柔軟な連携にあります。

開発者が参入しやすいオープンなエコシステムにより、新しい機能が次々と追加され、ユーザーは必要に応じて機能を拡張できます。

例えば「Code Interpreter」を使えば、Excelファイルをアップロードして「売上推移をグラフ化して」「顧客層別の購入傾向を分析して」と指示するだけで、瞬時にデータ分析が完了します。人力で行えば、優に3時間程度かかる作業が数分で処理できるのです。

その後、回答結果をExcel形式で表記し、ダウンロードもできます。もちろん、議事録や研究論文などテキストメインのドキュメントであれば、Wordへと落とし込みが可能です。

この機能も、時期とモデルによって、ユーザーからの不満が多く挙がっていました。

特に「GPT-4」初期は、機能の統合が不十分なため、複雑な表やデータ構造を要求すると破綻することがあったのです。

しかし現在は、「コードインタープリター(Code Interpreter)」や「データ分析(Advanced Data Analysis)」といった機能を強化しているため、このような破綻は大幅に改善されています。

Code Interpreter」プラグインで画像内のグラフや数値データを抽出。これを「Canva」や「DALL·E」系プラグインと組み合わせることで、チラシやSNS投稿画像プレゼン、用スライドなどの販促資料を自動生成できます。

さらに、画像の背景変更、サイズ調整、テキスト挿入まで一括で実行できます。例えば、キャンペーン用ビジュアルの作成、マーケティング資料の迅速化など、業務効率が飛躍的に向上するでしょう。

 

まとめ

ChatGPTAIのリーダー的存在として、圧倒的な知名度と利用実績を誇ります。多くのユーザーとの対話を通じて培われた論理的思考力や創造性は、ほかのAIを引き離す強みとなっています。

さらに、豊富なプラグインとオープンなエコシステムに支えられ、実務に直結する応用力を備えています。

4oから5への進化により、ハルシネーション抑制や長文の一貫性、生成速度の向上の改善も行われ、信頼度が高まりました。

一方で、Googleの「Gemini」はリアルタイム性やマルチモーダル能力を武器に、急速に追い上げています。両者は異なる方向で進化を遂げており、今後は「どちらを使うか」ではなく、目的に応じて賢く使い分ける時代に入ったといえるでしょう。


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