ビットコインETFとは?メリットやデメリットについて詳しく解説!

暗号資産やビットコインに興味・関心がある方は、「ビットコインETF」という単語を見聞きした経験があるかもしれません。
2025年4月時点で日本では承認されていませんが、米国では承認されているため、将来的に日本の証券会社でも購入できるようになる可能性があります。
本記事では、ビットコインETFがどのようなものなのかを徹底解説します。
メリットやデメリット・注意点を紹介するので、暗号資産・ビットコインに興味・関心がある方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも「ETF」とは
ETFとは、金融商品取引所に上場されている投資信託です。「Exchange Traded Funds」の略で、日本語では「上場投資信託」と訳されます。
TOPIX・日経平均株価といった指数や貴金属価格などと連動するように運用されており、一般的な投資信託よりも信託報酬が割安な傾向が見受けられます。
売買の仕組みや課税関係に関しては、株式とほぼ同じです。
暗号資産ETF
暗号資産ETFとは、暗号資産(ビットコイン・イーサリアムなど)の価格に連動することを目指して運用される金融商品です。
すでにビットコインETFやイーサリアムETFが誕生し、米国・欧州各国などの証券会社で取り扱われています。
ビットコインETFとは
ビットコインETFとは、ビットコイン(先物または現物)の価格に連動するETFです。「ビットコイン先物ETF」と「ビットコイン現物ETF」の2種類があります。
以下、それぞれについて詳しく説明します。
ビットコイン先物ETF
ビットコイン先物ETFとは、ビットコインの現物の価格ではなく、先物の価格に連動するETFです(主にシカゴ・マーカンタイル取引所のビットコイン先物契約の価格を参照)。
2021年に米国で最初のビットコイン先物ETFが承認され、取引が開始されました。2025年4月時点では、日本の証券会社では取り扱われていないことにご留意ください。
ロング(買い)ポジションだけではなく、ショート(売り)ポジションも選択できる、すなわち下落局面でも利益を出せることが魅力です。
ただし、定期的な契約更新(ロールオーバー)が必要で、その際にコストが発生するため、長期的な投資には適していません。
ビットコイン現物ETF
ビットコイン現物ETFとは、ビットコインの現物の価格に連動するETFです。ETFの運用会社がビットコインそのものを裏付け資産として保有します。
2024年に米国で複数のビットコイン現物ETFが承認され、取引が開始されました。2025年4月時点では、日本の証券会社では取り扱われていません。
ビットコイン現物ETFでは、ロング(買い)ポジションしか選択できません。
空売りすることで、下落局面でも利益を出すことができますが、証券会社によっては空売りできない場合もありますので、ご留意ください。
ビットコインETFのメリット
以下は、ビットコインETFの主なメリットです。
● ウォレットで管理する手間がかからず、手軽に投資できる
● 新規投資家が参入することで、ビットコイン価格の上昇を期待できる
● 税制面での優遇を受けられる可能性がある
それぞれに関して詳しく説明します。
ウォレットで管理する手間がかからず、手軽に投資できる
現物のビットコインを購入した場合、手元のウォレットで保管するか、取引所に預けておくことになります。
ウォレットの取り扱い方法を学ぶためには、一定の時間を要します。取引所に預ける方法なら、ウォレットを取り扱わずに済み、手間がかかりません。
ただし、過去に日本の暗号資産取引所がクラッキング被害に遭って、暗号資産が何者かによって盗まれたことがあることにご留意ください。
ETFなら、通常の株式の売買と同じ感覚で手軽に投資できます。プロ(運用会社など)が厳重なセキュリティ体制を構築した上で管理するため、比較的安心・安全です。
取引所では、顧客の要請に応じてリアルタイムで現物のビットコインを動かす必要があるため、脆弱性がゼロではありません。
それに対し、ETFの場合、リアルタイムでの移動が発生しないため、セキュリティリスクが低減されています。
新規投資家が参入することで、ビットコイン価格の上昇を期待できる
ETFは、株式と同じ感覚で取引できる金融商品です。そのため、これまで暗号資産のトレードに関心がなかった投資家が新規に参入する可能性があります。
その結果、資金が流入し、ビットコイン価格が上昇することが期待されます。
税制面での優遇を受けられる可能性がある
現時点で日本ではビットコインETFの取り扱いはされておらず、現物のビットコインを売買するしかありません。
現物のビットコインの売買で得た所得は総合課税の対象とされ、大きなもうけが出た場合は税金の負担が重くなります。
しかし、将来的に金融庁が承認し、日本の証券会社でビットコインETFの売買が可能になると、総合課税ではなく分離課税の対象とされ、税制面での優遇を受けられる可能性があります。
ただし、NISA口座で売買が可能とされた場合は非課税となります。
ビットコインETFのデメリット・注意点
以下は、ビットコインETFのデメリット・注意点です。
● 流動性・分散性が低下する懸念がある
● ビットコインの実利用が促進されない
● 2025年4月時点では日本の証券会社で取り扱われていない
それぞれに関して詳しく説明します。
流動性・分散性が低下する懸念がある
ビットコインなどの暗号資産の特長は、さまざまな人物・組織によって分散管理されていることです。
しかし、ビットコイン現物ETFの規模が拡大すると、運用会社が現物のビットコインを裏付け資産として大量保有することになります。
そのため、ビットコインの流動性・分散性が低下することが懸念されます。
ビットコインの実利用が促進されない
ビットコインは、資産運用の手段としてだけではなく、実店舗やECサイトで決済手段としても利用できますが、現状では一部の店舗しか対応していません。
実利用がさらに普及することを期待している方もいるでしょう。
ビットコインETFは資産運用の手段としては有用ですが、ただちに「社会のさまざまな場所でビットコインが利用できる状況」の実現につながるわけではないことにご留意ください。
2025年4月時点では日本の証券会社で取り扱われていない
2025年4月上旬時点では金融庁がビットコインETFを承認しておらず、日本の証券会社では購入できません。
ただし、米国では承認されているため、今後、日本でも議論が進むことが予想されます。
金融庁の公式サイトや暗号資産関係のニュースをこまめにチェックしましょう。
ビットコインETFのまとめ
ビットコインETFとは、ビットコインの価格に連動するETFです。
先物の価格に連動するビットコイン先物ETFと、現物の価格に連動するビットコイン現物ETFの2種類があります。
株式と同じ感覚で手軽に投資できることが、ビットコインETFの魅力です。新規投資家が参入することで、ビットコイン価格が上昇するかもしれません。
2025年4月時点で、米国では承認されていますが、日本の金融庁はビットコインETFを承認していない状況です。
ただし、将来的に承認され、日本の証券会社も取り扱う可能性はあります。
株式などと同様に分離課税が適用された場合、税金面での負担が減ります(仮にNISA口座で売買が可能になれば、非課税)。
金融庁や各証券会社の公式サイトなどを閲覧し、情報収集に努めましょう。